京都にはたくさんの桜の名所がありますね。
今回お花見をしたのは、京都市は京都市でも、京都の中心地から少し離れた「山科(やましな)区」にある桜のスポットです。京都市街地を取り囲む「京都盆地」と滋賀県の間に挟まれた山科区は、県外から来られる観光客の皆さんにはあまり馴染みのない場所かもしれませんね。
しかし、京都市の中では「マイナー」な部類に入ってしまう山科区にも、桜のスポットや観光スポットが多くあります。
今回読者のみなさんにご紹介するのが、毘沙門堂と山科疎水です。そして更に山科疎水沿いにある洛東高校周辺も、あわせてご紹介したいと思います。
京都市営地下鉄山科駅やJR山科駅からも近いので、お花見散歩にはうってつけです。
地元の人以外あまり訪れることのないちょっとマニアックな京都のお花見を、お届けしたいと思います。
毘沙門堂とは?
「動く襖絵」と見事な庭園で有名な朱色のお寺
毘沙門堂は天台宗の寺院で、京都市上京区の相国寺(しょうこくじ)の北にある上御霊神社近くにあったとされる出雲寺が前身であるとされています。現在の地に移されたのは、江戸時代とされています。
七福神のうちのひとつ「毘沙門天」をご本尊に祀っていることから「毘沙門堂」という名前で呼ばれています。
近年毘沙門堂は修復されて、建物は綺麗な朱色のカラーに包まれています。

あれっ?朱色って、神社のカラーじゃないの?
と不思議に思い、以前毘沙門堂の受付の方に質問したことがあります。すると・・・

創建当時はもともと朱色で、修復の際に「創建当時を再現しよう」ということで朱色に塗り替えました。
とのこと。
いろいろ調べてみると、もともとお寺の色は朱色で、お寺と関わりのあった神社が、色を合わせて朱色にしたなんて説もありました。これは引き続き調べてみる価値がありそうです!!
毘沙門堂のお堂の中には、不思議な「動く襖絵(見る角度によって絵が動いて見える!)」や、漢字の「心」の字を模した「晩翠園(ばんすいえん)」という見事な回遊式庭園など、見どころも多いお寺です。下の写真は初夏の時期の晩翠園のものです。
また、毘沙門堂入り口の仁王門も見事で、二体の仁王像が「ギロリ」とこちらを睨み立つお姿は、畏怖と荘厳さを感じます。
また秋には紅葉も見事で、毎年シーズンになるとこの地で「もみじまつり」というイベントが開催されるなど、京都でも有名なスポットにもなっています。
毘沙門堂へのアクセスと基本情報
毘沙門堂へは、JRもしくは京都市営地下鉄「山科駅」を下車。徒歩約15分~20分くらいです。
名称 | 毘沙門堂門跡 |
住所 | 京都市山科区安朱稲荷山町18 |
電話番号 | 075-581-0328 |
拝観料 | 無料(本殿500円) |
開門時間 | 8:30~17:00(最終受付16:30) |
山科疎水とは?
京都で「知る人ぞ知る」桜のスポット!
明治時代、琵琶湖の水を京都市内へと引っ張るための疎水事業が、当時の京都府知事北垣国通(きたがきくにみち)により計画されました。琵琶湖疎水計画事業です。
都が京都から東京へと移り、元気がなくなった京都に再び活力を与えようと始められたこの疎水の完成により、京都は徐々に元の栄華を取り戻すようになります。それだけ現在の京都に大きな影響を与えた琵琶湖疎水の中で、山科付近一帯を流れる部分を「山科疎水」と名付けられています。琵琶湖疎水は琵琶湖の水を引くだけでなく、舟による物資の輸送という側面も併せ持っていました。
山科疎水には十を超える橋がかけられていますが、物資輸送のための舟が十分に通れるよう、高めに設計されているのが特徴です。
疎水沿いには多くの桜の木が植えられていて、毎年多くの人が訪れます。疎水沿いの歩道はきれいに整備されているので、とても歩きやすくておすすめです
山科疎水へのアクセス
山科疎水(琵琶湖疎水旧山科運河)は、ちょうど山科駅から毘沙門堂へ向かう道の途中にあります。
ですので、毘沙門堂に行く途中で立ち寄るか、毘沙門堂を見た帰りに立ち寄るかのどちらかがいいでしょう。(ちなみに今回は毘沙門堂の桜を先に見てから、山科疎水に立ち寄っています。)
毘沙門堂からお花見を開始!
山科駅から歩きます
さて、ここからが実際に僕がお花見をしたお話です(#^^#)
今回の移動は地下鉄で。京都市営地下鉄山科駅の階段を登り、線路沿いを東に数百メートル進むと、毘沙門堂の案内の看板が見えてきました。
看板を左折し、ここからずーっと真っ直ぐ進むと、毘沙門堂に着きます。距離的に1キロくらいあり、若干の上り坂になっていますので、少々運動不足の僕の足にはこたえます(情けない)。
途中はずっと住宅街で、立派なお家が立ち並んでいます。そんな中にポツンと京都みやげで人気のある「ちりめん山椒」を売っているお店もあったりと、楽しめます。
毘沙門堂に至るまでにも桜の木があちこちで植えられていて、早速目を楽しませてくれます!
途中で後ほど寄る山科疎水をいったん脇目に見ながらさらに進むと、毘沙門堂に至る石段が見えてきました。
急な石段を登ると、本堂への入り口にあたる仁王門が現れます。そして仁王門をくぐると、その先にはご本尊である毘沙門天をまつる本殿が姿を現します。朱色に輝く本殿に咲くピンク色の桜が映えますね~(´▽`)
おすすめは「大枝垂れ桜」のトンネル
毘沙門堂の桜はどれも見事ですが、中でも見ものは紫宸殿前の「大枝垂れ(しだれ)桜」です!枝垂れの桜がトンネルのようになっていて、絶好の記念写真エリアになっています。
この桜は樹齢百数十年とも伝えられており、春になると見事な桜を咲かせ、私たち参拝者の目をなごませてくれます。
ぼくも調子に乗ってパチリ。天気がとてもよくて気持ちのいい日でした。
山科疎水の桜を楽しむ
毘沙門堂の桜を満喫したら、来た道を折り返して山科疎水に向かいます。
疎水沿いは遊歩道のようになっていて、散歩するにはとっても歩きやすい!皆さん一生懸命写真を撮ったりのんびり歩いたりしていますね!(^^)!僕も負けじと撮りまくりましたよ~。
このまま疎水沿いの桜を見ながら西に進み、洛東高等学校の方面に進みます。洛東高校の付近も桜がとてもきれいな、隠れたスポットです。
洛東高等学校付近の桜を楽しむ
疎水沿いを西に進んでいくと、京都府立洛東高等学校へ抜けます。ここの桜が疎水と負けず劣らずきれいなので、ぜひ見ていただきたい桜です。
洛東高校グラウンド脇の道路沿いには、多くのソメイヨシノが植えられており、満開の時期には周囲をピンク色に染めるほど。
道路幅があまり広くなく、車も頻繁に往来するので歩行はくれぐれも気を付けるようにして下さいね!
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